高粘性液体の悩みを解決する、シリコン弁付き容器「SSC」開発秘話(1)

日硝実業株式会社|NISSHO JITSUGYO CO,.LTD.

     

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高粘性液体の悩みを解決する、
シリコン弁付き容器「SSC」
開発秘話(1)

プロダクト・マーケティング部

山本 修子

SSC。それは、液キレの良さをどこまでも追求した日硝実業のオリジナル樹脂ボトル。常識にとらわれない仕組みにより、ハチミツ等の高粘性液体につきものだった「ねばねば」「ベタベタ」の悩みを痛快に解決。エンドユーザーの生活を変えたと言っても過言ではない、SSCの開発秘話に迫ります。

キャップとボトルが一体となって初めて
実現する抜群の液キレ

初めに、SSCとはどのような意味ですか。

山本:
「SSC」というのは、シンプリー・スクイーズ・キャップの略。意味としては「簡単に搾り出せる容器」といったところでしょうか。秘密はキャップの中にあるシリコン製の弁です。

SSCの魅力はなんですか。

山本:
SSCの魅力は、なんといっても抜群の液キレです。はちみつなどの高粘性液体がスパッと切れます。一度SSCを使うと、ほかの容器には戻れないくらいです。また、ボトルを押すまで中身が出ることはありませんので、適切な位置に的確に中身を注ぐことができることも魅力です。

液キレの良さが大好評の「SSCボトル」。抜群の液キレを実現する口部のシリコン弁の働きが観察できる

どのような仕組みで液キレの良さを実現しているのですか。

山本:
仕組みとして2つの要素が大切です。ひとつ目は、シリコン弁の中心に入れた十字状の切れ込み。クロスカットと呼んでいます。ボトルを押すとクロスカットが開き、内容物が出ます。ふたつ目は、ボトルが元の形に戻ろうとする力。ボトルが元の形に戻ることで、シリコン弁のクロスカットが閉まって液を切る。これがSSCの仕組みです。つまり、キャップさえあればどんなボトルでも成立するわけではなく、専用のキャップとボトルを組み合わせる必要があります。バランスが崩れると、この機能は果たせない容器になっています。お客様によってはキャップだけ販売してほしいというご要望があるのですが、当社のノウハウにもとづき最適な形状を追求していますので、キャップだけの販売というのはお断りしています。

「SSC357ボトル」独特の形状は、機能性を追求した結果。キャップとボトルが適切に組み合わさることで初めて機能する。

ハチミツの使いやすさを劇的に向上させた
日硝独自の着眼点

高粘性液体とは具体的にどのようなものですか。

山本:
代表的なのはハチミツです。このほか、甘味料やチョコレートシロップといった食品が多いですね。ほかにはボディーシャンプーなどにお使いいただいたこともあります。 共通して言えることは、液が垂れやすい、糸を引く、付着するとなかなか取れない、という性質です。容器を企画開発する立場としては厄介な中身です。

ハチミツ商品について、一般的にどのような悩みがあると考えていますか。

山本:
ハチミツってベタベタしますし、使ったあとに容器をキレイに保つのが大変だと感じたことはありませんか。次に聞こえてくるのはキャップが固くて開けられないことや、寒い日になかなか出てこないことにストレスを感じるという声。個人的には、ハチミツが好きなので瓶入りのハチミツをよく買うのですが、瓶からスプーンを使って取り出すとして、そのハチミツが付着したスプーンを何処に置くかという問題でいつも悩みます。 このような悩みを抱えつつも、ハチミツが多く使われるのは忙しい朝食です。簡単、時短、を追求することが必要とされると考えました。

エンドユーザー様の問題解決にどのように取り組みましたか。

山本:
液キレについてはシリコン弁で対応することは決まっていましたが、ほかのお悩みにどうアプローチするかも大切に考えました。 キャップが固くて開けられない問題に対しては、ヒンジキャップにすれば解決できるのではないかと考えました。また、ハチミツがなかなか出てこないという問題に対しては、容器を最初から逆さまにしておくという、まさしく逆転の発想で解決できないかと。

ほかに工夫はありますか。

山本:
エンドユーザー様のお悩みだけでなく、ハチミツ商品を製造する際のライン適性にも工夫が必要でした。逆さまで使う倒立容器とはいえ、充填時には容器の口を上にした正立の状態で安定させる必要があります。また、ハチミツのような高粘性液体では、充填する機械のノズルに大口径の物を使うことが多い。なので、容器の口はできる限り大口径にしたい、などです。さらに、ハチミツを充填するときには過熱して流動性を高くすることがあります。すると容器の耐熱性や、液体が冷えたときの減圧に対応する必要が出てきます。ボトルはこういった条件をクリアする形状として決まっていきました。

キャップを底として置く「倒立容器」。キャップ天面積を広くすることで安定性を確保。(緑斜線部)
はちみつなどの高粘性液体では大口径の充填針を用いることが多い。容器口の口径も大きくし、充填性を向上。(オレンジ斜線部)

キャップについてはいかがですか。

山本:
キャップについても機能と使いやすさ、製造のしやすさを丁寧に考え抜いてデザインしています。ヒンジキャップでありながら、倒立容器の台座として安定感を持たせるために、特徴的な形状になりました。しかし、台座としてある程度大きな直径が必要になったため、ハチミツの出口が奥まった位置になり、見えにくいと感じるエンドユーザー様もいらっしゃるのでは、と。なので、出口を単純な穴にするのではなく、段をつけて飛び出た形にしています。
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