無限の可能性を秘めたスタッキングびん|ガラス瓶、プラスチック容器の仕入れならつつむすび

日硝実業株式会社|NISSHO JITSUGYO CO,.LTD.

     

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日硝らしさは、お客様らしさへ。
無限の可能性を秘めた
スタッキングびん

マーケティング部

部長 奥田 有吾 × 平岩 耕一

お土産やギフトに最適な、積み重ねることができるスタッキングびん。お客様の商品にプレミアム感を与えるスタッキングびんは、思いもよらない使い方で、今や食品業界以外のお客様にも広がっています。そんな、日硝らしさを作るために開発されたオリジナル容器の誕生秘話や、これからの展望を開発者たちに語ってもらいました。

日硝実業らしさを作るために、
あえて手間のかかる瓶に挑む

どのような経緯でこのデザインが生まれたのでしょうか。

奥田:
当社オリジナルのスタッキングびんは、世界的なパッケージ展である「TOKYO PACK」の2000年出展をめざして、1990年代の後半に開発をスタートさせました。積み重ねられるガラスびんは海外にもあるアイデアでしたが、日本で生産したことはありませんでした。日本のガラスびんメーカーでも不可能な技術ではありませんでしたが、開発に取り組んだ当時の日本では、どちらかというとコストダウンと効率化を重要視していた時代。こういう製造しにくく、手間のかかる瓶に積極的に取り組む瓶メーカーはありませんでした。製造方法の推測はつく。でも、誰もやりたがらない。だからこそ挑戦しようと考えたのが、そもそもの始まりでした。メイド・イン・ジャパンで、スタッキングびんを作りたい。その想いを、小ロット多品種をつくる瓶メーカーさんに相談し、まずはスタッキングワインA型、B型からつくりはじめました。

奥田:
ターゲットとする市場をお酒関係に設定し、日本酒、焼酎、ワインの赤・白・ロゼなど3種類セットにすることをイメージしながら、いつも呑んでいるものよりちょっとオシャレにかわいく、お土産やギフトにも使っていただきたいと考えました。また、3段積み重ねたときに、ワイン瓶のボルドー型と同じ背格好にすることで、ギフトボックスや手提げ袋といった関連資材は今までお使いのものがそのまま使えるようにしました。

誰もやりたがらなかった容器をあえて作った理由は何でしょうか。

奥田:
「日硝実業らしさ」を作るためです。日硝実業らしさとは、「こんな容器を作る日硝実業だったら、こんなことも相談できるのでは?」と思われること。近年、富士山ボトルというガラスびんを開発した経緯というのも、同じ理由によります。
奥田:
富士山ボトルは、富士山が世界遺産になった2013年の発売を目指し企画したガラスびんです。これは10万本、50万本という数でご利用いただくというより、限定品として限られた本数のご採用をいただくガラスびんです。だからこの容器の開発時には、当社の社内にも賛否両方の意見がありました。しかし、こういう取り組みは、直接の売り上げを立てることを目的とはしておらず、デザインに特徴がある反面、製造は難しい。そのような容器も積極的に開発を行うという日硝ブランドを作るために重要だと考えています。

日本初! 広口のスタッキングびんを開発

細口(スタッキングワインびん)開発から広口開発へとラインアップ拡大した経緯についてお聞かせください。

奥田:
実は、広口のスタッキング瓶は、細口の場合よりも技術的な難易度がかなり上がります。こればかりは本当にどのメーカーさんも対応に困るのではないか、と思うくらい製造が難しいです。もちろん広口に取り組もうとした当時、日本で製造したことがある企業とメーカーはありませんでした。これはチャンスだと感じました。そして、我々と同じように、ガラス瓶の製造技術を高めたいと考るメーカーさんと共同開発の話がまとまったことが、広口開発スタートの経緯になります。

この取り組みも日硝実業らしさ作りの一環としてあるということでしょうか。

奥田:
そうです。日硝実業のブランド作りです。「スタッキングするガラス瓶といえば、日硝実業」という認知を確立させ、当社の開発姿勢をもっと市場に浸透させるためです。広口スタッキング瓶に関しては、日本で初めて市場に出されたのが当社の容器になります。

積み重ねるという機能が、
商品のプレミアム感を演出

機能面でのポイントを教えてください。

奥田:
積み重ねることができるという点。また、B型に関しては容量を日本古来の1合180mlにしています。さらに、食卓に並んでご家庭でもリユースしてもらいやすい形を目指しました。

美しさとしてのデザインのポイントはいかがでしょうか。

奥田:
細口のスタッキングワインA型、B型に関してはシンプルな丸瓶に。広口では瓶の角にカッティングを施し、光の反射が美しく、よりシャープに見えるようデザインしています。
平岩:
また、瓶をスタッキングすることで、飲み比べセットとしてもご活用いただいています。飲み比べというと、ミニチュアボトルを3本くらい並べるのが一般的ではないでしょうか。しかし、それではお試し商品のお得セットといったイメージが強くなり、販売価格の設定にも制限がついてしまいます。とはいえ、エンドユーザー様にいろいろな味覚を楽しんでもらいたいですし、作り手としては高付加価値化も図りたい。この矛盾を解決する方法としてスタッキング瓶を提案しています。より特別な印象を与えることで、お土産としての満足感と、値段に見合うプレミアム感を創出できているのではないかと思います。

お客様に教えられる、
スタッキングびんの新たな使い方

奥田:
いっぽうでおもしろいのが、当社が意図していたとはまったく異なる使い方を、お客様が発見され、当社が逆に教えられること。食品業界に限らずスタッキングびんを使いたいということでご採用が広がっています。
平岩:
スタッキングびん自体が個性的なカタチなので、食品以外のインテリア業界などのお客様が当社の瓶を探しているケースもあり、こちらが想定していなかった使い方が結構広がっています。それがこのハーバリウムだったり、アロマやフレグランス系の商品だったり。つまり、デザインにこだわった容器をひとつ作っておくと、私たちの手を離れたところで予期せぬお問い合わせをいただき、結果的に当社の仕事の範囲が広がるということが分かりました。とても面白いと感じます。

使用後のリユースについてお聞かせください。

奥田:
当社でリユースの方法をお伝えするというより、やはりエンドユーザー、特にご家庭でリユースされ方から私たちが勉強しています。
平岩:
インスタグラムなどで「#スタッキングびん」で検索していただくと、スタッキングびんをリユースした写真の投稿が多いことに驚かされます。エンドユーザー様がSNSに投稿してくれて、お客様に喜ばれることもあります。

積み重ねることは、組み合わせること。
広がり続けるスタッキングびんの可能性

商品PRでどのような効果が期待できますか。

平岩:
スタッキングびんには、単品と単品を組み合わせるという面白さがあります。例えば、蔵元さんであれば銘柄違いやグレード違いのお酒を飲み比べるセットにすることができます。また、お酒の産地であれば産地内の名物のお酒を組み合わせ、パッケージにその街の地図や風景を描くなどすることで、産地全体を味わうような企画もできるかもしれません。ローカル鉄道がある地域なら沿線の蔵元をつないでいくなど、組み合わせることによってストーリーができていきます。そのように、商品のストーリーを伝えたいお客様には、販促を含め効果が期待できるのではないでしょうか。スタッキングびんの「組み合わせること」は、まだまだ大きな可能性を秘めていると感じています。
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